鳥の嘔吐について


□ 本当に嘔吐ですか?

鳥が吐いている場合、まずは1度冷静になって『嘔吐』なのか、それとも発情による『吐き戻し』なのかの判断をします。

嘔吐の場合はできるだけ早く病院へ行くべきです。発情による吐き戻しの場合は、すぐには受診しなくても良いかもしれませんが、発情を繰り返していると病気を引き起こす可能性が高いので、一度受診して発情抑制を行なって行くことをおすすめします。

 

  • 嘔吐の場合
顔を左右に振りながら、口の中に戻したものを周囲に撒き散らします。
吐いたもので顔まわりやケージ内が餌や粘液などで汚れている場合もあるので、もし吐いている現場が見られなくてもそういった汚れを見つけた場合は嘔吐を疑った方がいいかもしれません。
  • 吐き戻しの場合
嘔吐とは異なり、撒き散らさずに1箇所にまとめてオエッとする事が多いです。
男の子が行う発情行動で、大好きな発情相手への求愛行動です。また、女の子が雛を育てる際に行う事もあります。
発情相手は同じ鳥ではなく、おもちゃだったり止まり木だったり、色々なものが発情相手になります。中には自分の足に吐き戻ししちゃう子も。。
□ 嘔吐の原因は?
嘔吐をする原因は色々と考えられます。
  • 感染症
マクロラブダス(メガバクテリア)症やカンジダ症などの真菌類や、オウム病(鳥クラミジア症)、ウイルス、その他細菌類や原虫類も嘔吐を引き起こす可能性があります。
  • 食餌や生活環境
栄養の偏った食餌による栄養失調や寒さによる免疫力の低下、換羽による体力の低下や、季節の変わり目、引越しなどの急激な生活環境の変化によるストレスでも嘔吐は起きます。
  • 異物や中毒
食べ物以外の物を食べて(場合によっては食べ物であっても)消化管が詰まってしまったり、亜鉛や鉛などの重金属を誤って飲み込んでしまった場合。その他の中毒性のある観葉植物や野菜でも起きる事があります。
金属中毒は飼い主の皆さんが思っている以上に頻発しています。そして、命の危険性も高いです。
  • 良性腫瘍や悪性腫瘍(いわゆるガン、できものなど)
胃などの消化器の腫瘍はもちろん、他の臓器が腫瘍化していて、その結果物理的に胃が圧迫されて嘔吐を引き起こすこともあります。
  • 生殖器疾患
  • 火傷
  • 肝疾患
  • 腎疾患
  • そのう疾患    など
嘔吐を引き起こす原因は、とてもたくさんあります。
年齢や生活環境などである程度除外することはできますが、やはり検査を行って病気の鑑別(診断)を行わないとわからない事が多いです。
□ 吐いているときってどんな検査を?
検査の内容は問診の内容、性別、年齢、視診での全身状態などにより変わります。そのため一概にどの検査を行うとは言い切れません。
通常は最初のステップとして
  1. 身体検査
  2. 糞便検査
  3. そのう検査
ここまではルーティーンに行う事が多いです。この段階で診断がつく場合もありますし、必要に応じて次の検査(レントゲン検査、エコー検査、血液検査、感染症の遺伝子検査、培養検査など)を行いより詳しく診断を行って行く事もあります。
鳥類の場合、症状が一気に進行してしまう事も多いため、嘔吐に気づいた段階でできるだけ早めに病院へご相談ください。

 

鳥も診れる動物病院すみか動物病院

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