鳥の多尿(尿量が多いこと)について


・そもそも鳥っておしっこするの?どんな見た目なの?

もちろん、排尿します。そして鳥類の尿は、『尿酸』と『水分尿』の2つがあります。

 

アミノ酸はどんな動物でも生きていくのに欠かせない物質ですが、そのアミノ酸を分解すると最後には『アンモニア』という有毒物質になります。

人や犬、猫などの哺乳類はアンモニアを『尿素』に変化させて排出しますが、鳥類は『尿酸』に変化させて排出する仕組みになっています。

 

うんちと一緒に出てくる白い塊、それが『尿酸』です。また、うんちと一緒に液体も出てくる事がありますが、それが『水分尿』です。

今回まとめていく多尿というのは、水分尿が多い場合の事です。(尿酸の異常についてはまた改めてまとめます。)

・下痢をしている!?

少し話がずれますが、実は鳥の診察をしていると下痢をしていると相談される事が多いです。でも実際には、鳥類が下痢をする事はあまり多くありません。

来院する事が多い鳥類(セキセイインコやラブバード、オカメインコたち)はもともと乾燥した地域に生息していたため、水を効率的に利用する(あまり水がなくても生きていける)ような体の仕組みを持っています。

 

なので、下痢をしてます!という主訴で来院された場合、実際は多尿だったという事が少なくありません。

もちろん実際に下痢を起こしている事もあるので判断に困った場合はご相談ください。

・どんな時に多尿になるの?

尿=病気とは限りません。例えば換羽期や発情期、ペレット食の場合や、暑くて水をたくさん飲んだ時、また鳥種的にも元々多尿な品種もいます。

病気で多尿となる場合、腎臓病や糖尿病、重度の感染症、中毒、肝臓病、ビタミン不足などの病気が考えられます。

中にはすぐに診断をして治療を行わないと手遅れになってしまう病気もあるので、生理的なものだろうと楽観視しすぎないよう注意してください。

・多尿の時の検査ってどんな事が行われるの?

一般状態にもよりますが、当院では最初のステップとして以下の検査を行う事が多いです。

  • 詳細な問診

普段の生活環境や食餌、多尿を起こすような原因がないかお聞きしていきます。

  • 身体検査

多尿を引き起こす病気の中には足を痛がったり、お腹が膨らんでいたり、他の症状を併発している事もあります。

  • 糞便検査(うんちの検査)

顕微鏡で視る以外にも、肉眼で糞便の状態を見るだけで病気が絞れる事があります。診断する上でうんちの状態はぜひ確認したいです。乾いていない新鮮なうんちをラップに包んでいただいて、乾かないようにしてお持ちください。

  • 尿検査

尿検査も身体の負担(リスク)がほとんどなく、多くの情報が得られるので出来れば行いたい検査の一つです。尿検査を希望される場合、病院へ鳥をお連れになる際には下紙を敷かないようにしてください。下紙があると尿が吸収されてしまって検査が出来なくなってしまいます。

何も敷かずにプラスチックのままにするか、ラップなどを敷いていただけるとスムーズに検査が出来ますので、ご協力お願いいたします。

 

 

ここで書いたのはあくまで最初のステップでの検査です。この検査で得られた結果を元に、レントゲン検査や超音波検査、遺伝子検査(感染症の検査)などをさらに組み合わせて確定診断に持っていく場合も多いので、どこまで検査をしていくか相談して決め手いきましょう。

 

 

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