ご自身が何か具合が悪い時、原因を考えると思います。
例えば吐いてしまっていたら、胃が悪いのかな?ストレスかな?昨日ちょっと飲みすぎちゃったかな?など。原因はわからないけれどそんなに状態が悪くなければとりあえず様子をみたり、市販されている胃薬などを飲むことも多いと思います。
鳥の場合、ここに落とし穴があります。鳥は症状を隠す動物なので、症状が現れる数日前から実は具合が悪かったという事が多いです。また、とりあえず胃薬使うなどの治療(いわゆる対症療法)が通用しない場合もあります。
症状から病気をいくつか疑って、それを絞り込むためにはどうしても鳥も検査が必要です。当院では鳥に特化した検査器具なども用意しておりますので、専門的な検査も行うことができます。
どの検査が必要かはこちらから提案をします。また検査のコストやリスクなどの情報もお伝えしますので、実際にどの検査を行っていくかは一緒に相談して決めていきましょう。
※鳥の状態によっては、手を触れた瞬間に落鳥する事もあります。検査を希望されてもあまりにリスクが高い場合は行えないこともあります。
・検査項目について
当院で行える検査項目は、以下のようになっています。
-
身体検査
- 糞便検査(うんちの検査)
- そのう検査
- 眼の検査
- 尿検査
- CBC(血球検査)
- CHEM(血液化学検査)
- レントゲン検査
- 造影検査
- 超音波検査(エコー検査)
- 遺伝子検査(感染症検査、性別検査など)
- 病理検査
- 培養検査
- 薬剤感受性検査
などです。状況に応じてここには書いてない検査を提案する事もあります。
鳥特有の、あまり見慣れない検査項目に関しては続きで詳しく説明していきますので、もしご興味があればご覧ください。
・身体検査
頭の先から爪の先まで、全部見ていきます。
鳥類で特に注意して見ていくところとしては、普段確認する事が難しい羽根の異常、尾脂腺(尾羽根の付け根になる腺)の異常、聴診、クロアカ(総排泄腔)の異常、発情の有無なども診ていきます。
また、爪が伸びすぎている事も多いので、身体検査の時に切っていく事もあります。(もちろん診察でなく、爪切りなどのケアだけでも可能です)
・糞便検査(うんちの検査)
来院までにしてくれれば新しいうんちで検査をしますが、してくれるか心配な場合は乾いていないうんちをラップなどでぴっちりと包んで、乾かないようにしてお持ちください。
鳥は糞便から得られる情報もたくさんあります。ちゃんと食事はしているか?消化不良がないか?下痢をしていないか?血便はないか?などです。
顕微鏡を使っての糞便検査では、当院では直接顕微鏡で見る検査、染色をして消化不良がないかどうかの検査(2種)、寄生虫の検査の4つを基本で行う事が多いです。
・そのう検査
そもそも『そのう』というのはいったい何なのか?
→そのうというのは消化管の一部分で、食べたものを一時的に貯めておくための器官です。口と筋胃(砂肝)の間にあり、外からだと首のちょっと下あたりにあります。
口から細い管を入れて、そのう液と呼ばれる液体を採取します。それを顕微鏡で見る事で、炎症がないか、病原体がでていないか、確認をしていきます。そのうの問題だけではなく、鼻水が出ている時にも有用な検査です。(鼻水を飲み込んでそのう内に溜め込んでいる可能性があります。)
※ちなみにローリー・ロリキートなど蜜食性の鳥ではそのう検査は行いません。
・尿検査について
基本的に試験紙を使って、尿糖や尿蛋白の有無、phなどを測ります。
検査結果によっては糖尿病や腎臓病など、他の検査(血液検査や画像診断)と組み合わせて診断を行う事もあります。
もし尿検査をご希望の場合は、こちらもご覧ください
・血液検査
鳥でも血液検査はできます。
必要最低限の血液で、出来る限りの情報を得るために、項目を絞って行う事が多いです。体調が悪い場合は血液検査で急変する可能性もあるため、その場合は先に治療を行い、落ち着いた段階で血液検査を行うこともあります。
・レントゲン検査
体の負担に比べて得られる情報が多いため、当院では行う頻度が高い検査です。
ここでいう体の負担とは、『レントゲン撮影時の保定』による負担のことです。小さな体で放射線による被曝は大丈夫か心配をされる方が多いですが、それは問題ありません。
食餌や発情の状態、病気によってはレントゲン検査自体がリスクとなる可能性もありますので、事前にリスクについてはご説明した上で検査を行っていきます。(骨折など)
呼吸状態が悪い場合は事前に酸素吸入をしてからレントゲン撮影にうつる事も多いです。
また、必要に応じて適切な造影剤(バリウムなど)による造影を行い、造影レントゲン検査を行う事もあります。
・遺伝子検査とは?
遺伝子検査は外部の検査センターに送って行う検査となります。うんちや血液などを混ぜて検査センターに送ります。
行う頻度の高いものとしては、PBFDやオウム病、マイコプラズマ、性別検査などが挙げられます。見慣れない、あるいは聞いた事もない病気もあると思うので、検査を行う際にはどのような病気か事前にご説明します。
特にPBFDやオウム病は健康診断でも検査する事が多いので、健診の際にはリーフレットを使って説明いたします。
鳥の診れる埼玉県の動物病院、すみか動物病院
埼玉県八潮市大瀬4-35-20
048-915-1677