鳥の発情について


鳥類は野生下では年に2回発情します。でも家の中で1年中快適な環境で暮らしている飼い鳥は、季節感がなく常に発情してしまう事もあります。

鳥類は発情に関連した病気が多く、残念ながら命を落としてしまう子も中にはいます。

適切な食事、適切な飼育環境を整える事が出来れば救える命もありますので、一度発情について考えてみましょう。

・そもそもうちの子は発情しているの?

健診で受診された際に身体検査をして、初めて自分のうちの子が発情している事に気づかれる事も多いので、まず発情している時の行動から説明していこうと思います。

鳥種や性格などによって行動だけでは判断できない場合もあるのでご注意下さい。

  • 男の子の場合

吐き戻し、交尾行動、ディスプレイ行動(歌ったりダンスしたり、楽しそうに遊んでいるようにも見えます)など

  • 女の子の場合

巣作りや巣篭もり、骨盤が開く、お腹がぽよっとする、防衛行動(攻撃性が増します)、糞便の大きさの変化、交尾を受け入れる姿勢、ろう膜の色の変化(セキセイインコ)など

女の子の場合は骨盤やお腹の変化など、身体検査をしないとわからない事もあります。

 

ちなみに下の写真も発情行動ですね。性別や何をしている所か、わかりますか?

↑は男の子(左)が女の子(右)にプレゼント(吐き戻し)している所ですね。一見すると右の子の方が積極的に見えますが。。

 

・発情と関連する病気、問題行動

冒頭でお話しした通り、発情は色々な病気と関連があり、また問題行動となることもあります。

生殖器疾患は来院理由の上位に入るものが多いのでとても注意が必要です。

  • 男の子の場合

発情関連の病気と言うと女の子の卵詰まりが有名ですが、男の子も発情に関連した病気は多くみられます。

生殖器疾患(特にセキセイインコの精巣腫瘍)や、足の麻痺、鳴き声の変化、皮膚病などの原因となる可能性があります。また、吐き戻しした餌をまた食べたりしていると、カンジダ症になってしまう子もいます。

  • 女の子の場合

生殖器疾患(卵詰まり、卵管卵巣腫瘍、嚢胞)、毛引き、骨折のリスクの増大、関節疾患、肝臓病、呼吸器疾患などが起きる可能性があります。

・どうやったら発情しないの?

発情を促す要因がいくつかあるので、それぞれに対して対応策を練っていく事になります。

・日照時間

昼間の時間が長い(明るい時間が長い)と発情が強くなる傾向があります。

・食餌内容

量が問題のこと、種類が問題のことがあります。

・生活環境

・ストレス

・発情相手

鳥が相手とは限りません。人や止まり木、中には自分の足に発情して吐き戻ししちゃう子もいます。。

 

生活環境や性格、食餌内容や病気の状態などによって行っていく発情抑制は異なりますので、実際の内容は基本的には診察でお話させていただく事になります。無理な発情抑制をかけると身体の負担になってしまう事も多いので、注意して下さい。

できれば専門家と相談しながら抑制をかけていく事をお勧めします。

 

 

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