・卵詰まりの原因って?
①カルシウム不足
食事としてカルシウムを与えていない以外にも、ビタミン不足、カルシウムを摂取していても卵を産みすぎて不足してしまう事などが考えられます。
カルシウムが不足すると殻のないブヨブヨの卵が作られれたり、力が出ずに産卵が出来なかったりします。
②ストレス
卵を作る事自体が鳥にとっては体力を使いストレスになりますが、その上で寒さや環境の変化などもストレスの要因となります。
③その他
ホルモンの異常、高齢、骨格の異常、卵管の問題なども要因となります。
・どうやって卵詰まりを見分けるの?
①症状
元気食欲がなくなるといって一般的な体調不良、お腹が膨らむ、うんちが出にくいなどの症状が見られることが多いです。日頃から体重を測定していれば、卵がある分だけ体重が急増するためそれも一つの判断基準となります。
また、低カルシウム血症を起こしていると体に力が入らずにぐったりと倒れてしまったり、歩けなくなったりする事もあります。
②触診
お腹を触って卵があるかどうか確認することでも判断は出来ます。でも毎日鳥を診察している獣医師であっても判断に困り画像診断(レントゲンなど)を頼ることがあるので、自宅でお腹を触って硬いのがないから卵詰まりではないとは言えません。
例えば硬い殻があれば分かるかもしれませんが、軟らかいぶよぶよの卵だとわかりませんよね?
ちなみに、産卵は卵があることが分かったら24時間以内に起こるはずです。24時間を経過しても卵が出ない場合は確実に何らかの原因があって卵がでない状況(卵塞)なので注意してください。
・卵詰まりっぽい!どうすればいい?
ちょっとでも疑われる場合は、様子見をせずに今すぐ受診してください。治療が遅れれば遅れるほど、助けられる可能性は低くなってしまいます。
おしりに潤滑油としてオリーブオイルなどを入れるといった民間療法がありますが、全く効果がなくデメリットしかありませんので、絶対行わないで下さい。
もしすぐに受診が出来ない場合は、残念ながら自宅でできる事というのは保温をするくらいしかありません。もし寒がっているようであればしっかり保温してあげて下さい。
自宅で圧迫して排卵させるのは非常に危険なのでお勧めできません。
・まとめ
卵詰まりは起きてしまった場合は緊急性が高く、また非常に危険な病気です。日頃から体重を測定するなどして、すぐに変化に気づけるよう注意しておきましょう。
でも最も重要なのは、予防することです。卵詰まりを予防するためには、食餌管理や発情の抑制が必要です。できるだけ正確な情報を元に、バランスのとれた食事を与えるようにしましょう。
特にカルシウムやビタミンが重要となりますので、もし今までシードのご飯しか与えていなかった場合は一度食餌の相談にお越しください。
当院では鳥の初診の方には必ず食餌の説明を行なっています。それくらい食事は重要です。
最後に、実際の柔らかい卵がどんなものなのか画像を載せておきます。
①これはパッと見ただけで分かる柔らかい卵ですね。ぶよぶよしているので圧迫排卵するのが困難でした。
②一見すると問題なさそうな卵ですが、よーく見るとヒビが入っています。爪で押して見るとぺこぺこで、殻が薄い事がわかります。
自力で産卵できたとしても、もし生まれた卵がこのような異常な卵だった場合は次は詰まってしまう可能性が高いです。注意しましょう。