デンタルケアについて


皆さんペットの歯の状態を見たことがありますか?また、お家でデンタルケアはしていますか?

デンタルケアというと多くの方が思い浮かべるのが"歯磨き"です。その他にもガムや療法食、様々なデンタルケアがあります。

しかし、わかっていても実行するのはなかなか難しいですよね。

「うちの子歯磨き苦手で…」「とても嫌がるからかわいそう…」「そもそもやり方がわからない!」

そんな方でも大丈夫。デンタルケアを行わないことでどんなリスクがあるのか、そして正しいデンタルケアの方法をお伝えします!

□デンタルケアをしないとどうなるの?

歯についた歯垢は、早いとたった3日で歯石になってしまいます!そして一度歯石になってしまった場合、もう歯磨きでは除去できません。

歯垢や歯石がたまっていくと様々な疾患を引き起こします。その中で最も多く見受けられる疾患が“歯周病”です。

歯周病は3歳以上の犬猫の80%以上が発症していると言われており、歯垢が蓄積し口腔内の細菌数が増殖したり、細菌の出す毒素によって炎症が生じることで歯周病が起こります。症状としては強い口臭や痛み出血等があり、進行すると痛みのせいで食欲はあるのにご飯が食べられないということも…

そうなった場合の治療として第一に選択されるのが全身麻酔下でのスケーリングです。

 

□全身麻酔下でのスケーリングとは?

機械を使って細かい振動で歯石を粉砕し削り取っていき、その後に歯の表面の研磨(=ポリッシング)をしていきます。またこの時、残存不可能の歯は抜歯していきます。

ただし歯の表面をきれいにスケーリングしても24時間以内に歯垢は付着し始めます。ここでケアを怠ると、せっかく全身麻酔をかけて処置をしたのに3日経ったらまた歯石が付着していきすべて水の泡です…

それ以前に、スケーリングには麻酔のリスクもありますし出来ることならやらずに口腔内の健康を維持したいもの…

 

そこで非常に重要になってくるのがお家でのデンタルケアです。

□主なデンタルケア

デンタルケアといえば歯磨き!歯磨きに勝るデンタルケアはありません。歯ブラシは犬猫用の、ヘッドが小さくて毛が柔らかいタイプがベストです。人用の歯ブラシを代用する場合は子供用の毛質が柔らかいタイプを使用してください。

歯磨きが苦手な子はまず口周囲を触られることに慣れさせてあげることが大切です。まだ歯ブラシは使わず、歯磨きシートやガーゼを指に巻いて優しく拭ってあげましょう。歯磨きペーストなどをつけてもより効果的です。

そうして慣れて来たらいよいよ歯ブラシを使っての歯磨きです。いきなり歯ブラシを口に突っ込むのではなく、最初は前歯を軽く磨く程度で、徐々に奥歯の方へ進めてください。歯面に対して45°の角度でブラシを当て、歯肉と歯の境目を優しく擦ります。

この段階ではまだ歯の表面だけしか磨けていません。口角(犬歯の後ろ側の少し窪んでいる部分)を押すと口が開くので、歯の裏側も磨いてあげましょう。

歯磨きガムや療法食のみでは歯垢を完全に取り除くことができません。ですので必ず歯ブラシによる歯磨きとセットで使用してください。

□まとめ

最近では獣医師免許を持っていないトリマーや動物看護師が無麻酔下で歯石を取る行為が増えています。しかし無麻酔で歯石を取る際に使用する器具は先端が非常に鋭利になっており、もし処置中に顔が動いてしまった場合歯肉などを傷つける恐れがあります。また無麻酔下では十分な研磨ができないため歯の表面に傷がついたままになり歯垢が再び付きやすくなってしまいます。

無麻酔下での歯石取りはパッと見た感じは綺麗になりますが、実際はメリットよりもデメリットの方が大きいため残念ながらおすすめできません。

 

現在では歯磨きによる歯垢除去が唯一確実な歯周病予防とされています。そのため日常でのデンタルケアが非常に重要になってきます。私たち人間は毎日歯を磨きますよね?ペットだって同じです。毎日こつこつケアをしてあげることで、将来の歯の健康が保たれるのです。皆さんもぜひ愛する我が子のためにデンタルケアをしてみてはいかがでしょうか?

 

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