犬が盗み食いをしてしまったら?


「目を離した隙にチョコを食べられた!」なんて話はよく聞きますし、動物病院で働く私たち自身も恥ずかしながら経験があります。

また、最近では手作りのご飯を犬にふるまう方も増えてきました。しかし人の食べ物の全てが犬にとっても安全というわけではなく、中には中毒を起こしてしまうものもあります。

 

そもそも犬にとって危険な食べ物ってなんだろう?もし食べてしまったら?

その疑問にお答えするべく代表的な食べ物と、食べてしまった時の対処法を書かせていただきます。

 

□危険な食べ物の代表例

・玉ねぎ

玉ねぎに含まれる成分が赤血球を破壊して貧血を起こします。

赤血球は全身に酸素を届ける役割もおこなっているため、ひどくなると呼吸困難を起こし最悪死に至る場合があります。

また、コンソメなども玉ねぎの成分が入っているため、与えないようにしましょう。

 

・チョコレート

チョコレートに含まれる成分は、犬が大量に摂取すると嘔吐や下痢、多尿、興奮、発熱、不整脈、運動失調、発作などの症状が現れます。

チョコレートの種類によって中毒物質の含有量は変わりますが、大人向けのチョコ(苦味のあるチョコ)の方がリスクは高いです。

 

・ブドウ、レーズン

詳しい成分は分かっていませんが、犬が食べてしまうと食欲不振、嘔吐、下痢を起こし、急性腎不全を起こす場合もあります。

しかし、全ての犬に起こるわけではなく、食べてもケロッとしている犬もいます。

 

・キシリトール

ガムなどに含まれているキシリトールは犬が食べると低血糖を起こします。

また、初期の症状として、嘔吐、脱力感、よだれが現れ、重度になると肝不全を起こすことがあります。

 

・エチレングリコール

これは食べ物ではないのですが、車の不凍液や、凍らせても固まらないタイプの保冷剤などに含まれているものです。実はこの成分、甘みがあり犬や猫が好んで食べてしまうことがあります。

しかも毒性が強く、体のふらつき、嘔吐、うっ血、昏睡、急性腎不全など様々な症状が現れ、最悪死に至る怖い物質です。

夏の暑い時期でも保冷剤などを犬のケージに入れたりしないようにしましょう。

□食べてしまったら?

中毒を起こして何か症状がある場合、家では対処できません。すぐに動物病院に連れて行きましょう。

症状がない場合は状況により対応が変わりますので、とりあえずかかりつけの動物病院に電話して指示を仰ぐことをお勧めします。

その際

・いつ食べたか(何分前か)

・なにを食べたか

・どれくらい食べたか

・犬の様子(グッタリしている、吐いている、変わりはないなど)

を電話で伝えると緊急性が把握しやすく、獣医師も適切な指示を出すことができます。

 

 

□まとめ

中毒は死に至ることもあるとても恐ろしいものです。治療も薬を使って吐かせたり、全身麻酔でお腹を開けたりと、犬にとって苦痛やリスクを伴うものがほとんどです。

犬は味覚の中で甘みが一番好きだと言われていて、そして食べて大丈夫なもの、危険なものの判断ができません。犬の好みをあらかじめ理解して、そして誤食の予防をすることが大切です。

 

動物もとても賢いです。なんとかして美味しそうな物を食べようとしてくるので、人も知恵を振り絞ってなんとか食べられないようしっかり対策をたてましょう。

 

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